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環境保全対策調査

概要
海域に設置する最終処分場は、廃棄物の処理が必要な都市等の近隣に立地するとともに大容量の最終処分のポテンシャルを有し、廃棄物の埋立てによって臨海部における広大な港湾機能用地・都市機能用地の確保が図られます。大阪湾フェニックスセンターは、長期安定的に、また広域的に廃棄物を適正処理するための大阪湾の埋立てによる大阪湾フェニックス計画を遂行しており、海面処分場の機能が十分に発揮され、生活環境に影響を及ぼすことのない埋立処分と維持管理を適切に実施することを目的に、環境保全対策調査を実施しています。

受託業務 : 大阪湾広域臨海環境整備センター

実施年度:1993年度~2024年度

事業内容

循環型社会を支える基盤として、廃棄物適正処理のために最終処分場を整備することは、最重要課題の一つです。しかし、我が国の陸域での埋立処分においては、立地上の制約から、個々の自治体や事業者が最終処分場を確保することは依然として困難な状況にあり、さらなる廃棄物の減量化と最終処分場の延命化・確保が喫緊の課題となっています。
そのような中、海面最終処分場は、将来に渡る廃棄物の処分場の確保に係る課題を解決する有効な方法と考えられています。
一方、海面処分場は、埋立廃棄物の大部分が水没している状態であるため、廃棄物の分解、安定化に時間を要し廃止までの期間が長期間にわたるという課題を有しています。
したがって、基準省令に定める構造基準や維持管理基準を遵守し、環境安全への配慮を前提として、埋立事業コストの低減や早期土地利用に資する効果的かつ合理的な環境保全の実施が必要です。
そのため環境保全対策調査委員会を設置し、効率的かつ適正な維持管理を目的として、本調査を実施しています。
2022年度からは、現在埋立進行中の処分場において将来的に廃止が容易となるような区画埋立の効果についてシミュレーションモデルを構築して検討するほか、短期間に集中して廃棄物の受入れが見込まれる処分場において一時的に水質が大きく悪化することが懸念されるため、水質悪化を抑制する経済的かつ効果的な埋立処分手法を確立するための調査を実施するなど、各処分場が直面する課題について重点的に取り組んでいます。
一方で、廃止に向けたシナリオを確立することを目的として、埋立終了後の処分場における浸出水の高pHを低減させるために内水ポンドのCO2吸収機能を活用した実証試験を行うとともに、埋立終了した処分場における排水処理施設を増強することで保有水安定化に及ぼす影響について確認したり、埋立ガス成分が持つ特性について明らかにするなどの長期的な視点で必要となる調査も実施しています。