地域特性に即した焼却主灰の資源化・リサイクルに関するスキーム構築(ブレークスルー事業)
- 概要
- 本研究は、国立環境研究所、焼却炉プラントメーカー、廃棄物・3R研究財団による共同研究として実施しました。また、環境研究総合推進費で行われている「物理選別とエージングを組み合わせた焼却主灰グリーン改質技術の確立」と連携して研究を行いました。それぞれの得意分野で、情報の共有等を行って、両研究で得られた知見を基盤に焼却主灰リサイクルの「社会実装の実現・学術成果の発信」を目指しています。
本研究の背景として、わが国では、3Rが進展し、一般廃棄物の総排出量が2000年は5千4百万トンに対して、2015年は4千3百万トンと約2割減少しており、最終処分量は、より顕著に、約6割減少しております。その間、総排出量に対する焼却率は76~79%で高止まりが続いており、最終処分に占める焼却残渣の割合は54%から76%へ上昇しました。これらの数値から明らかなように、焼却残渣は今日の一般廃棄物処理における大きな課題であり、特に最終処分場を持たず長期的な見通しが不透明な自治体にとっては、適切かつ有効な選択肢を一つでも多く持つことが必要と思われ、ブレークスルー事業として発足しました。
実施年度:2017年度~2020年度
ブレークスルー促進事業
ブレークスルー促進事業は、財団、3R活動推進フォーラムの会員並びに大学等研究機関からの依頼に応じて、当該廃棄物・3R技術に関して、
- 技術面、経済面、社会面の観点から総合的に診断し、
- 適用可能性、導入促進方策などについて処方箋を提示する
ことを目的としています。そして、事業成果を広く公表することにより、環境負荷の少ない持続可能な循環型社会形成の推進及び地球環境の保全に資することが期待されます。詳しくはこちら。
2019年度 事業内容
1. 一般廃棄物焼却灰リサイクル事業者の現地調査
セメント固化した焼却灰を骨材にしてリサイクル
2. 全国都市清掃研究・事例発表会及び循環型社会形成推進研究発表会での成果発表
3. 環境研究総合推進費で行われている「物理選別とエージングを組み合わせた焼却主灰グリーン改質技術の確立」のアドバイザリー会合の開催
2018年度 事業内容
- 環境省一般廃棄物全国調査のデータに基づく、都道府県あるいは市町村レベルでの焼却残渣のリサイクル状況の実態調査
- 焼却残渣リサイクルを実施中の自治体や事業者へのヒアリング調査
- 焼却主灰を廃棄物ではなく、リサイクル材料として取り扱うための法解釈の整理
- 自治体の焼却主灰の採取、性状調査
- エアテーブルを購入し、国立環境研究所にて金属選別実験を実施
- 環境研究総合推進費で行われている「物理選別とエージングを組み合わせた焼却主灰グリーン改質技術の確立」のアドバイザリー会合の開催
2017年度 事業内容
- 事業計画を推進するための検討会の実施