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海面最終処分場の形質変更方法検討業務

概要
海面最終処分場における環境安全性への配慮を前提とした跡地利用の促進に向けた技術情報集の提供を目的として、廃止に関する基本的な考え方の明確化を踏まえて、廃止基準の適用の仕方の事例のほか、海面最終処分場の廃止に関係する構造、維持管理等についての留意点や対応事例、及び跡地利用に係る対応策、大規模災害時における有効活用方策等との一体的な検討・整理を実施し、「海面最終処分場の廃止と跡地利用に関する技術情報集(案)」を取りまとめました。

受託業務 : 環境省

実施年度:2014年度~2016年度,2018年度

2018年度 事業内容

処分場跡地の形質変更については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及びその関係法令並びに「最終処分場跡地形質変更に係る施行ガイドライン」が適用されていますが、海面最終処分場が抱える課題に円滑かつ的確に対応するための方策等を、一層、明確にする必要があります。
また、今後、大規模災害が発生した場合には、膨大な災害廃棄物が発生すると想定されていますが、大容量の最終処分のポテンシャルを有する海面最終処分場での災害廃棄物処理・処分の促進が考えられ、その活用方法について早急に検討が必要とされています。
このような背景のもとで、海面最終処分場の外部に生活環境保全上の支障を与えないことを原則として、各最終処分場の状況に基づいた廃止の検討や跡地利用を促進するために、制度的・技術的な課題に関して適切な対応を図る上で必要となる情報を整理しました。
さらに、特に遵守しなくてはいけない事項や留意すべき事項、及び埋立事業の各段階における管理主体及び関係者間でその考え方や適用の仕方等が共有されるとともに、各役割等を協議して円滑に実施するために、運用の統一が図られることが必要と考えられることから、廃止等の前後で処分場の管理主体が移動することへの配慮事項等を検討しました。
海面最終処分場の形質変更方法検討委員会の助言に基づいて検討を進め、海面最終処分場における廃棄物処理法と公有水面埋立法の両法の適用関係について示すとともに、その構造上の特徴や管理の実態を踏まえて、基準省令及び基準運用に伴う留意事項等により定められた事項の補足、廃止基準の適用の仕方、廃止に関係する構造・維持管理等に係る留意点や対応事例、廃止に係る関係者の役割と連携事項、跡地利用における環境保全の考え方や土地利用に伴う水質・埋立ガスの変化への対応事例、災害発生時における活用方法と課題への対応等について、海面最終処分場における適正な廃止に係る運用及び埋立跡地の活用に資するための情報として、環境安全性への配慮を前提とした「海面最終処分場の廃止と跡地利用に関する技術情報集(案)」を取りまとめました。

2016年度 事業内容

海面最終処分場の形質変更方法検討委員会において、更に廃止基準の適用の仕方の事例のほか、海面最終処分場の廃止に関連する構造、維持管理等についての留意点や対応事例の検討を進めました。
海面最終処分場の廃止に関する基本的な方向としては、あくまで埋立地の外部に生活環境保全上の支障を与えないことが原則であることとし、海面最終処分場の廃止に関する基本的な事項として、廃止基準や廃止後の内部水位管理等の特に遵守しなくてはいけない事項や留意すべき事項について明確化すること、及び海面最終処分場の事業の段階に応じて管理主体が変わること等から、廃止に関する関係者の役割として、廃止前後の管理主体、生活環境保全上の支障を発生させないための関係者の連携、大規模災害時の対応、リスクコミュニケーションの必要性等について留意すべき事項を整理しました。
また、跡地利用を促進するための運用事例や対策事例等の整理及び2014年度の海面最終処分場廃止等に関する検討会による「海面最終処分場の廃止に関する技術情報集」と、その後に検討した廃止に関する基本的な考え方や跡地利用・対策事例等を一体化して、「海面最終処分場の廃止と跡地利用に関する技術情報集(案)」として取りまとめるための検討を行いました。

2015年度 事業内容

最終処分場は、所要の基準に適合すると確認される場合には廃止可能ですが、廃止後の最終処分場にあっても土地の形質を変更する場合は、2005年の廃棄物処理法改正により、一定の届出や生活環境に支障を生じないような対応が必要とされています。
特に、海面最終処分場については、埋立廃棄物が水没した状態で嫌気的になりやすく廃棄物の分解・安定化に時間を要することから、廃棄物の埋立終了措置(閉鎖)が行われた時点から廃止に至るまでに一定の期間が必要な上、廃止後における跡地の形質変更についても生活環境に支障を生じないようとりわけ留意が求められるため、最終処分場の廃止に向けた基本的な考え方を整理する必要があります。
学識経験者、廃棄物埋立事業者・港湾事業等関係者から構成された海面最終処分場の形質変更方法検討委員会を設置して、前年度に続いてアンケート調査を実施するとともに、国内の海面最終処分場における跡地利用の事例や対策等について調査し、収集した情報から制度的な課題や技術的な課題の抽出を行うとともに、海面最終処分場の廃止に関する基本的な考え方と跡地利用の促進に向けた運用の事例集として盛り込むべき事項を整理しました。

2014年度 事業内容

環境省では2013年度から「大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会」を設置し、災害廃棄物対策について総合的な検討を進めており、「巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインについて(中間とりまとめ)」(2014年3月、環境省巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会)において、最終処分場の確保に向けて、国は、海面最終処分場が抱える廃止に至る期間の長期化や跡地利用の制約等の課題に対応する必要があるとされました。
そこで、海面埋立事業者、処分場設置許可権者(環境部局)、土地利用者(港湾局等)へのアンケート調査等を行って、海面最終処分場における形質変更に係る課題を抽出し、適用の可能性のある技術を整理し、環境安全性の確保を前提とした跡地利用の促進へ向けた検討の方向性を整理しました。
なお、環境省は、2005年度から2014年度にかけて、海面最終処分場廃止等に関する検討会を設置して、「海面最終処分場の廃止に関する技術情報集」を取りまとめています。