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廃棄物処理残さ物に係るダイオキシン類の分解・安定化技術に関する研究

概要
廃棄物の焼却過程で発生するダイオキシン類について、2000年1月に施行されたダイオキシン類対策特別措置法により、廃棄物処理残さ物に関して新しい基準が設定され、より高度な処理が求められるようになりました。
本研究は、廃棄物処理残さの処理に係る課題を解決するために、2000年度から3年間にわたって、一部、環境省廃棄物等科学研究費補助金の交付を受けて実施しました。

実施年度:2000年度~2002年度

事業内容

研究の背景、目的

廃棄物の焼却過程で発生するダイオキシン類については、2000年1月に施行されたダイオキシン類対策特別措置法により、大気・水質・土壌に関する環境基準、廃棄物焼却炉に係る大気・水質排出基準及びばいじん・焼却灰・廃ガス洗浄施設汚泥の処理基準、廃棄物最終処分場の維持管理基準、廃棄物処理残さ物に関して新しい基準が設定され、ダイオキシン類対策としてより高度な処理が求められています。
本研究は、廃棄物処理残さの処理に係る次のような課題を解決するために、2000年度から3年間にわたって実施しました。

  1. 廃棄物処理残さ物に含まれるダイオキシン類を分解・安定化する技術として、施設の違いによる多様な残さ物の排出特性、性状に適合した対応技術を検討して、ダイオキシン類対策特別措置法の排出基準を満足する処理法選択の方向付けを行うこと。

  2. 廃棄物処理残さ物のリサイクルについて、実態調査及びリサイクル技術の研究からリサイクルの推進に必要な技術や社会システムのあり方に関する検討を行い、リサイクルの促進を図ること。

  3. 湿式排ガス処理設備については、洗煙排水・汚泥に含まれるダイオキシン類の挙動及び低減化技術の調査から、排出基準を満足する低減化・排出抑制方策を提示すること。

研究の内容

上記のような課題に対し、以下の内容の調査研究を実施しました。

  1. 分解・安定化技術に関する調査研究として、(1)溶融炉の実態調査、(2)ばいじん処理物のダイオキシン類溶出抑制効果に関する調査検討、(3)分解・安定化技術の整理を実施しました。

  2. リサイクルに関する調査研究として、(1)溶融飛灰の山元還元方式による資源化システム整備に関する研究 (2)溶融スラグ有効利用の実態調査、(3)焼却灰(主灰)のリサイクル適応性の調査、(4)焼却灰(主灰)の性状調査、(5)水和固化法による主灰安定化、リサイクルに関する研究、(6)残さ物のリサイクル技術の整理を実施ましした。

  3. 洗煙排水処理に関する研究として、(1)湿式洗煙過程での粒子状・ガス状ダイオキシン類の挙動に関する研究、(2)触媒法によるダイオキシン類分解技術調査、(3)オゾン促進酸化法によるダイオキシン類分解技術調査、(4)洗煙汚泥の焼却処理によるダイオキシン類処理効果と重金属の挙動調査、(5)洗煙排水、汚泥処理技術の整理を行いました。

本研究は、当財団内に「廃棄物処理残さ物に係るダイオキシン類の分解・安定化技術に関する研究委員会」(委員長 武田信生・京都大学大学院工学研究科教授)を設置して実施しました。また一部は、環境省廃棄物等科学研究費補助金の交付を受けて実施しました。

研究者

代表研究者

志村利夫((財)廃棄物研究財団)

共同研究者

武田信生(京都大学大学院)
藤吉秀昭((財)日本環境衛生センター)
大迫政浩((独)国立環境研究所)
高岡昌輝(京都大学大学院)
若松秀樹((財)廃棄物研究財団)