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お知らせ

石坂産業株式会社を見学しました

2024.08.05

2024年7月19日(金)午後、当財団の職員研修の一環として、埼玉県入間郡にある石坂産業株式会社を見学しました。石坂産業は建材、がれき類、紙類、廃プラスチック類など7品目の産業廃棄物中間処理業者として1967年創立から57年の歴史を持つ会社です。従業員は約210名。平均年齢42歳、20-30代の割合47%、女性比率42%、6ヵ国からの外国人従業員採用など幅広い方が社員として働いています。
石坂産業は対象とする廃棄物に応じて6ヵ所のプラントを保有しています。廃コンクリート再資源化プラントでは、まだ珍しい電動重機が送電ケーブルに繋がった状態でがれき類を選別・破砕している様が印象的でした。木くず・廃プラ・金属等を分別するプラントでは、AIロボットにより木くずを選別、その他は人の手により選別することで、効率的に分別を進めていました。土砂は盛土材(NS-10)、紙やプラは燃料へリサイクルするなどして、石坂産業では受け入れ廃棄物の98%が減量化・再資源化されているそうです。
高い廃棄物処理技術を持つ会社である一方、1999年の所沢のダイオキシン騒動では、風評被害で、地域からバッシングを受けました。その後「地域に必要とされる会社」、「Zero Waste Design」をビジョンに掲げ大きく事業転換を行いました。
工場全天候型化、ISO7種統合導入、再生エネルギー100%導入を実現。また、不法投棄が問題となっていた里山を「三富今昔村」として再生し、オーガニックファームや環境教育の場として活用。環境教育等促進法に基づく「体験の機会の場」認定や、生物多様性の保全への貢献度を評価、認定するJHEPのAAA認定を受けています。
そうした取組の結果、現在は年間6万人が見学に訪れ、海外50か国からも見学者が訪れるようになりました。その一方で、断熱材の厚みが増した建材など、近年は分離・リサイクルしにくい製品が流通してきていることから、製造業界とのより一層の連携が今後の課題となっているとのことです。